いま日本で活躍している、現代舞踊家二十八組を一堂に集めての「第三十三回現代舞踊展」が開かれた。今年はメンバーに、若手から選ばれた新進を多く起用した企画もあって、二日間の競演が熱気溢れるものとなっていた。「中略」二日目の中では、野坂公夫・坂本信子作品「曲線した声」と、山田奈々子作品の「ウソツキ」が、現代の問題を提起していた。「中略」山田の作品は、彼女のとぼけた大人の演技が光った。群舞にあっても、ウソツキの多い現代を風刺して、共感を覚えさせる。山田らしい笑いとペーソスで、楽しませてくれた。
福田一平氏(舞踊評論家)東京新聞7月26日夕刊掲載
本年度の現代舞踊展は新世代の踊り手たちのエネルギーが新鮮だった。また例年作品を発表しているベテランたちもそれぞれに近況をうかがわせる作品を発表した。
<中略>山田奈々子は「ウソツキ」で長年の活動を感じさせる味わい深い舞踊劇を披露した。山田の踊りには長年の舞踊にたいする愛を感じた。
吉田悠樹彦氏(舞踊評論家)音楽舞踊新聞掲載
昨日の現代舞踊展とても感動しました。数多い作品の中でひときわ目立っていたと思います。曲と動きの一体感があって、構成も素敵ですね。
先生の新しい魅力を感じました。 工藤規親様
☆良かった。構成がしっかりし、ダンサーの心が良い。 最近観た中で一番でした。セット・照明・衣裳(主役の)も良く満足して帰りました。 奈々子さんの舞台は他の先生方のとは一味違いますね。いつも思うことですが、体や手足の動きだけでなく、足先から指先にまで細やかな神経が行き届いていたし、目線や首のかしげかたなど、振りの一つ一つに表情がありますね。微笑みにも無理がないし。本当に奈々子さんをはじめ、皆さんの眼がキラキラ輝いて見えました。特に両手で口をおおって流し目をするあたり、小さな可愛い悪魔を見ているようでした。こんな可愛い悪魔にウソをつかれても、すぐに許してしまうでしょう。奈々子さん本当に可愛かった。衣裳も素敵でした。モーツアルトのヴァイオリンコンチェルトに振りをつけると、あんな風になるとは思いませんでした。私にとって、新しい解釈になりそうです。
小澤純一様(写真)
「ウソツキ」を拝見して参りました。
14ステージの中で「奈々子さんのが一番よかったね」と家内が申しました。
お世辞ではなく私もそう思いました。
群舞の手や足の揃い方、バランスのよさは群を抜いていて、よく訓練されているなと思いました。モーツアルトのヴァイオリン・コンチェルトを選ばれたのも非常によかったと思います。ステージに柔らかさと品格をもたらしておりました。構成・演出のお手柄と存じます。
筧槇二様(詩人)
今回も一際格調高い作品と演出を拝見し敬服致しました。皆様のお稽古も大きな努力があったと思います。昨年の受賞に引きつづき益々のご活躍のご様子、とくに今年は嬉しく存じました。 平岡久治様(写真)