★「バスを待つ」は素晴らしかったです。打楽器と直線的なダンスから森田童子の哀愁に満ちた懐かしい歌への転調も素晴らしかったです。
何でもない日常の一瞬を彫刻したジョージ・シーガルを思い出しました。皆さまの踊ると言う瞬間の肉体の芸術の舞台は、その裏での日々の訓練の積み重ねがあのように厳しく深い踊りになっているのだと思います。3人の女性のダンスには励まされ希望がわいてきました。人生の抒情詩にはどんな詩がいいかななどと考えながら拝見していました。 M.W. 様
★「バスを待つ」や「人生の抒情詩」などの抽象的な内容を、顔の表情(特に目の表情)と身体の動きだけで表現するのはとても難しい芸術分野であることがよく分かりました。
「バスを待つ」の人間の動線による直線的な空間の切り方、バスのエンジン音の躍動感あふれる3次元的な使い方など、大変メリハリの利いた説得力のある御作品と拝見いたしました。
「人生の抒情詩」全体のストーリーから人間の温かさと優しさを強く感じました。そして、その温かさや優しさがユーモアを通して豊かに表現されていました。すがすがしい気分で帰ってきました。Y.M. 様
★素晴らしかったです。刺激をうけ、私も頑張ろうと思いました。私の生徒が、かぶりつきで見た由、大感激で電話がありました。
抒情詩の最後、一人づつの場面の奈々子さんに五郎先生がだぶりました。受け継がれていますね。胸が熱くなりました。 E.F. 様
★昨日は、うれしいステージを拝見しました。踊りの道は、すばらしい。 S.S. 様
★「抒情詩」を見させていただき、楽しい気分で帰ってまいりました。パンフレットにあった奈々子さんの言葉、感動しました。
私も「生まれて来て良かった」そう思います。森田童子さんの唄、よかったです。 いつまでも舞い続けてください。 A.O. 様
★「人生の抒情詩」どの様に表現するのか楽しみにしていました。なる程しっとりとした優雅な姉妹が感じられました。 J.W. 様
★「人生の抒情詩」奥深く、すばらしかったです。特にお三人の共演は、迫るものがありました。 S.S. 様
★身体で表現する物語、なかなか素敵でした。優雅な雰囲気も感じられて・・・ M.S. 様
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「人生の抒情詩」
皆同じ衣裳なのに、ちょっとした工夫でそれぞれの個性と役柄の違いが出ていました。
ストレートに着ていた藤里さん、素直でおとなしい読書好きな姉、脇をちょっとつまんだ奈々子さんはおてんばで好奇心おおせいな、花を愛する乙女。裾を上げて赤い裾を見せた森さんは、お洒落で活発なちょっぴり泣き虫の次女。3人の違いを見るだけでも楽しい舞台でした。花畑と牧草地に囲まれた、都会の喧騒から離れた住まい。森さんは洋行帰り。ちょっとしたいたずら心から諍いになってしまう、親しいからこその成行。でも、姉妹だからこそすぐ打ち解ける優しさ。昭和の写真で3人仲良く育った子供時代を思い出す。そして夫々の人生を表すライン上のソロ。現実の3人を見ているようでした。ショールをまとったラスト、最後に見つめる先に何があるのか。
「バスを待つ」
人混みの中をさまよい歩く女は、何を探しているのでしょう。黒い背景が生きていました。
バスは同じ時間に来て、同じ道を行ってしまう。でも行き着く先は別。それを待つ女は、変わってしまっている。
「凍て蝶」
白い布の舞台効果、すばらしかった。雪の舞い散る雪原の中最後の力を振り絞って生きようとする蝶。寄せ集めた布を放す時、
スノーモンスターがゆっくり解けるように崩れていきました。彼方を見ながら雪に埋もれて消えていくラスト感動しました。
「ここはなんと素晴らしい場所」
スモークと光の演出が素敵でした。床に写った模様が「素晴らしい場所」を描いているのが見てとれました。理想の場所を求めて、
走り回り、見つけたそこに飽き足らずまた探し求める。山の彼方に・・・ J.O. 様
★「バスを待つ」を観せていただき感動でした。しっとりとした音楽と美しい舞踊、心に残りました。茶のロングコートは過去から吹く思い出の風のイメージでした。
「人生の抒情詩」拝見して御三人のキリッとした表情がステキでした。映像が良き昭和の暮らしなつかしく存じました。実家の庭に亡き祖母や母が好きだったフキノトウが丸いツボミで春がくるのを待っています。過ぎた日を思い出します。Y.Y.様
★たいへんお若くて、美しくて、昔とちっともお変わりないので、あっけにとられていました。不思議な夜でした。R.S.様
★三者三様のダンスが展開
ベテラン舞踊家の藤里照子、山田奈々子、森嘉子の仲良し三人組が、「人生の抒情詩」というジョインダンストリサイタルを行った。まずそれぞれがじぶんの踊りを見せる。<中略>
山田奈々子の「バスを待つ」は堀登とのデュエット。根尾櫻子、石丸麻子、清水依子、滝野原南生、渡部里菜の五人が街の何気ない風景を作る。山田だけが現実を遊離した存在だ。堀とのダンスはすれ違いの場面が多く、男女の愛の描写には程遠い。他の五人とも次元を異にした感覚の間合いを保ち、幻想世界に遊んだ。
三人の創作・出演による「人生の抒情詩」は、女たちの居間の日常のスケッチだった。凝ったデザインの衣裳をまとった三人が、それぞれに個性そのままのダンスで、やんわりと自己主張を闘わせる舞台は大人の世界。
どうしても外向的なところを見せてしまう森嘉子、内省的だがけっして自分を失うことのない藤里照子、どこまでも自分の世界に入り込んで行く山田奈々子という、三者三様のダンスは、いずれも全開状態。それぞれが自分のパートを好き勝手に踊り、少しだけ他との関係に配慮して「人生の抒情詩」を危ういところで成り立たせた。好きなように自分を表現したベテランたちの公演は、見た者に高齢社会を生きのびるヒントを与えたのでは・・・。
山野博大氏評 オン・ステージ
★人生の来し方や行く末を思い、今を生きる力に
山田奈々子、森嘉子、藤里照子の古豪3人の共同作品「人生の抒情詩」は、「老いて なお可憐な姉妹の、楽しくてちょっと切ない人生の午後の詩」
という触れ込みだったが、どうしてどうして「現代(いま)を凛として生きる」という、はた目にも凛々しい生涯現役宣言だった。
「午後の詩」について詩は解すべからず、味わうべし、というから我流な説明で勘弁を。
すでに引退したらしい同じ衣装の姉妹2人が、読書など退屈を紛らしているところへ派手な衣装の妹(森)が戻ってきて、都会の風を持ち込む。
刺激され、過ぎた若き日を思い出して心に葛藤が・・・。
それもいっとき、妹は姉たちと同じ衣装に代え、3人、心を一にし横一列になって、昂然と上を向き客席をにらむように前進して幕。
途中、古い柱時計が時を打つ場面。四つ鳴った。英語では「タイム・イズ・もう無へ」 と言うはず。でも午後四時なら、まだ日暮れには間があるよ。<中略>
御三方は「雀百まで踊り忘れず」前向きだ。羨望はしないが、敬服はする。<中略> 老老相憐れむ気で来たが、今日は少し力をもらったかな。
木村英二氏評 音楽新聞 (長文なので中略とさせて頂きました)
★とても心に残るすばらしいリサイタルでした。シンプルな衣装にシンプルな演出・・・何もないステージの空間・・・それが、山田先生がステージに立ち,踊られると、演じられる先生の周辺に景色や情景が見えてくるのです。そして心情までも伝ってくるのです。先生のバレエは,こんなふうに人に伝える事ができるなんてすばらしい!!涙が出てきました。どれだけの積み重ねがこのようなすばらしい表現となるのかを考えたら、再び感動します。
第二部は「人生の抒情詩」というタイトルで時代にほんろうされながらも今日まで真っすぐ生きてきた姉妹の姿が演じられていました。山田先生を始め、お二人の先生のソロでの演技は迫力がありました。凛として生きる・・・感動し、勇気が出てきました。
今の時代、物だけでなく情報もあふれすぎています。自分に必要なモノか、そうでないのか、真実かウソかも分からなくなりそうな世の中です。しかし、今回のお三方の先生のリサイタルを通して「どんな時代になっても、真の強さ、真の美しさは変わらない」のだと思いました。私自身時代のせいにして嘆いたり、逃げたりしていたと思います。これからは時代のせいにはせず、真っすぐ前を見ていたいと思いました。 高崎・H 様
★3人の大先輩のお姉さま方の公演を見ました
ダンスってやっぱり素晴らしい。年を重ねた3人姉妹。 椅子に座っているだけで、人生の深さが見えてくる。もうジンとしてくる。
ちょっとした仕草だけでも十分な説得力だ。ストーリーが進み後半それぞれのソロシーンに移る。ここで同じダンサーとして思わぬ発見!いままでの雰囲気と違い、踊りだすとなんと3人とも若くなってしまう。キレ良く、それぞれの振りをタップリと踊る。 やっぱりダンサーって若い!芝居的な部分とダンスシーンとのバランスが作品をさらに深くしている。 乾杯!