日本の洋舞100年 今甦るパイオニアの名作!
新国立劇場・中ホール 主催新国立劇場 制作協力(一社)現代舞踊協会
ダンサーは作品責任者、劇場制作側の提案、話し合いを経て思い切った配役になっています。多様なダンサーに注目です。若手ダンサーには、作品経験者がしっかりサポート、今しかできない未来へのバトンタッチが見えます。中略
高田せい子作品「母」の作品責任者山田奈々子は、その記憶を辿りながら、細部まで、新進、ベテランのダンサー加賀谷香、馬場ひかりとの魂のやりとりが続く。(中略)
パイオニアから直接指導を受けた作品責任者の方々が、身体の深い記憶から、次代のダンサーに伝えるリハーサルに立ち会う時、血肉やその呼吸がつたわって身震いする思いでした。縦の流れだけでないその時代の横の繋がりや共通性も見えてきました。今ある歴史に誇りを持って未来への扉を開ける一歩にしたいと思います。
DANCEEXPRESS 企画運営委員M.K様
高田先生の「母」を拝見し、とても感激しました。ダンスの楽しさが溢れる会でした。 Y.Y様
作品「母」は美しく高田先生にまた再会したようで感激しました。N.H様
洗練された品のある舞台に仕上がっていて、あの時代であの作品は超モダン、今より凄いと感じました。 M.W様
すべての演目が見応えがあって、中でも母は感動的でした。 K.N様
舞踊評
新国立劇場ダンス(ダンス・アーカイヴ in japan)は、現代舞踊協会の全面的な協力により、日本の現代舞踊の歴史的遺産を再現して見せたプログラムだった。
江口隆哉が1951年に初演した「日本の太鼓」に始まり、伊藤道郎の「ピチカット」高田せい子の「母」伊藤道郎、小森敏、宮操子の「タンゴ」三題、檜健次の「BANBAN」石井獏の「食欲をそそる」と「白い手袋」を並べ、最後は今の時代に飛んで平山素子の「春の祭典」再演で締めくくった。<中略>「母」はショパンの曲を高田せい子自身がしみじみと踊った女性のソロ。山田奈々子の指導で加賀谷香 (八日は馬場ひかり) がていねいに再現した。 <中略>
どの作品もきちんと準備を整えて再現されており、かっての日本の現代舞踊の様子を正しく今に伝えていた。しかしいずれも緊張で張り詰めた印象が強かったのはいたしかたないところか。石井獏、伊藤道郎、高田せい子、江口隆哉、檜健次らはいずれもゆったりと舞台をこなし、観客との距離感がもっと近かった。<後略>山野博大様評 オン・ステージ